ホンダフリード(2代目)の燃費をまとめ!ライバル比較、実燃費など燃費情報盛りだくさん
フリードは3列シートの広い室内を実現しているにも関わらず、フィット譲りの低燃費もうれしいポイント。
私自身前身のモビリオと初代フリードも乗りましたが、通常のガソリンエンジンでも燃費はいいし、トルクやパワーも必要十分でした。
2代目となるフリードは、高効率なガソリンエンジンに加えて、ハイブリットシステムもi-DCDという新世代に換装。
フリードの燃費は一体どれほどまでに向上していくのか、調べてまとめてみました。
カタログ燃費(JC08モード)
まずは、カタログ燃費を見ていきます。
古い「10・15モード」という測定方法よりも大きく実際の燃費に近づいたと言われる「JC08モード」で比較します。
進化の程をチェック!新旧モデル比較
まずは先代モデルからどれくらい進化したのかを確認してみます。最近の主流である燃費測定基準「JC08モード」のカタログ値を下表にまとめました(単位はkm/l)。
車種 | ガソリンモデル燃費 | ハイブリッドモデル燃費 |
---|---|---|
初代フリード | 16.6 | 21.6 |
2代目フリード | 19.0 | 27.2 |
フリードの元となった「モビリオ」は旧測定基準「10・15モード」のデータしかなかったため、比較できず残念です(ちなみに18.2km/l)。
それにしても、もうそんなに伸びないだろうと思っていたガソリンモデルまで1割以上も改善しています。19.0km/lって一昔前の軽自動車並みですよ…。技術の進化恐るべし。
ハイブリッドモデルについては、「IMA」から「i-DCD」にハイブリットシステムの方式自体が全く別モノになったことが大きいでしょうね。「i-DCD」となりモーター出力が本格的になり、燃費も3割弱改善しています。
ライバルシエンタとの比較
次にガチンコのライバルである、「トヨタ シエンタ」との比較です。
シエンタは前身のモビリオのときから「トヨタが仕掛けてくる刺客」。トヨタのやることは手厳しいw ホンダ ストリームにトヨタ ウィッシュをブツけてきたときに似てます。。
さて。
比較結果は下表にまとめました(単位はkm/l)。
車種 | ガソリンモデル燃費 | ハイブリッドモデル燃費 |
---|---|---|
2代目フリード | 19.0 | 27.2 |
2代目シエンタ | 20.2 | 27.2 |
ガソリンモデルでは、意外にも「エンジン屋」と評されるほどエンジン技術に対して定評のあるホンダが後塵を拝しています。
しかしながら、トヨタの熱効率に対する追及は激しく、プリウスなどに搭載されるエンジンは世界屈指の高効率エンジンです。トヨタのエンジン技術というと一般的にはあまりイメージないかもしれません。ハイブリッドが先に取り沙汰されちゃいますからね。
シエンタにはそのプリウスで培われた効率化技術が惜しみなく投入されていました。そりゃ手強いわ、ってなもん。
しかしながら、フリードとシエンタでは歴然としたパワー差があるのも事実。
車種 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|
2代目フリード | 132PS | 15.8kgf・m |
2代目シエンタ | 109PS | 13.9kgf・m |
今回のガソリンエンジンでは、フリードはSOHC->DOHCに変更。
「高回転でのパワーと両立させた」と言うのが宣伝文句ですが、初代フリードの118PSから大きく向上しているのを目の当たりにすると納得してしまいますね。
他ハイブリッドモデルとの比較
フリードの燃費はライバルシエンタを相手にしても、ガソリンエンジンでは若干負けているものの肉薄する数値になっていることがわかりました。
では、ミニバン全体的に見るとどの程度のレベルに位置にしているんでしょうか。
トヨタ ノアなどのミドルサイズミニバンへもハイブリッドが搭載される時代です。ミニミニバンにカテゴライズされるフリードは優位性を保てているんでしょうか。
下表にまとめてみます。
メーカー | 車種 | 燃費(km/l) |
---|---|---|
ホンダ | フリード ハイブリッド | 27.2 |
トヨタ | シエンタ ハイブリッド | 27.2 |
ホンダ | ステップワゴンSPADAハイブリッド | 25.0 |
ホンダ | オデッセイハイブリッド | 24.4 |
トヨタ | ノア ハイブリッド | 23.8 |
トヨタ | シエンタ ガソリン | 20.2 |
トヨタ | フリード ガソリン | 19.0 |
トヨタ | アルファード ハイブリッド | 18.4 |
トヨタ | エスティマ ハイブリッド | 18.0 |
日産 | セレナ Sハイブリッド | 17.2 |
さすがにミニバンカテゴリの中では、圧倒的な燃費!
ステップワゴンもオデッセイも高価なハイブリッドシステムを搭載していますが、燃費の面で言えば「小さいは正義」!
軽くて、空気抵抗の少ない小さなボディは有利です。
他モデルとの比較を通してみると、ガソリンモデルでも十二分な燃費水準なんだということを実感しますね。ハイブリッドグレードの価格差を考えると、こだわりなければガソリンモデルは必要十分な賢い選択ですよね。
実燃費
燃費の計測方法が10・15モードからJC08モードに進化して実燃費に近づいたといえど、
「カタログ燃費はいいんだけど、実燃費で計測すると大したことないんだよなぁ」
っていうことは依然としてあります。
ということで、一般ドライバーの燃費口コミや、実走行で測定した自動車評論家の数値を見ていってみましょうか。
フリード ガソリンモデルの実燃費
口コミとWeb記事の両面で見ていきましょう。
Web記事は私が信頼を寄せているオートックワンの燃費レポートから。毎回同じコースで測定してくれる素敵な記事です。
出典元 | 街乗り | 郊外 | 高速 |
---|---|---|---|
オートックワン燃費レポート | 13.4 | 15.5 | 20.3 |
口コミ1 | 13 | 17-18 | 15 |
口コミ2 | 10-12 | 15 | 17 |
カタログ燃費からするとだいぶ下がるのは否めません。
ちなみに、シエンタとフリードで比べてみるたのがコチラ。
どちらもデータはオートックワンの燃費レポート「実燃費対決!ホンダ 新型フリード(1.5Lガソリン)の実燃費をライバルのシエンタと比較!」から引用させていただきます。
車種 | 街乗り | 郊外 | 高速 |
---|---|---|---|
フリード | 13.4 | 15.5 | 20.3 |
シエンタ | 12.6 | 15.2 | 19.7 |
うーん。。
ほぼ誤差みたいなもんでしょう。JC08モード恐るべし。相対評価と捉えれば結構正確ですね。シエンタの+1.0km/l分については、あまり意識する必要はなさそうです。
となれば、フリードのエンジンの元気の良さのメリットが光りますね…!?
フリード ハイブリッドモデルの実燃費
次はハイブリッドモデルの実燃費。
オートックワンの燃費レポートでは、残念ながら5人乗りの「フリード+」のハイブリッドモデルのデータしかなかったのですが、大きくは違わないだろうという見込みのもと記載しておきます。
出典元 | 街乗り | 郊外 | 高速 |
---|---|---|---|
オートックワン燃費レポート | 19.8 | 22.8 | 22.2 |
口コミ1 | 20 | 30 | 26 |
口コミ2 | 15-17 | - | 20.2-23.6 |
総じて高燃費!これだけ走れば結構満足じゃないでしょうか。
一方で口コミ全体を眺めていると、伸びないヒトは全然伸びていないですね。
ラフなアクセルワークや、ピタッとアクセル開度を一定に保つ習慣がないと大きく伸ばすのは難しいかも。モーター走行や回生ブレーキなどをうまく使わないとハイブリッド良さを最大限引き出せないですよね。もったいない。
フリードの燃費の進化の理由
フリードのガソリンエンジンの進化
先代のL15AエンジンからL15「B」に変わったエンジン。型式の変化こそ少ないですが、内容は大きく見直されています。
一番大きなトピックは「直噴化」。直噴化とは今まで空気を吸い込む過程でガソリンと混ぜていたのを、シリンダー内で爆発する直前にガソリンを吹き込む技術。最近の高効率エンジンでは主流となってきました。
直噴のメリットを簡単に言えば、圧縮比を上げられること。
大きく圧縮してから点火すると、より多く爆発エネルギーを動力へ変えられます。しかし困ったことに、事前にガソリンと混ぜた空気をガンガン圧縮しちゃうと勝手に爆発しちゃう。
それじゃ爆発させたいタイミングで燃料入れようよ、ってのが直噴化のコンセプト。
口で言うと簡単なんですが、例えば圧縮空気内に水鉄砲でガソリン入れても混ざるどころか水滴が壁に着くだけ。超高速で爆発を繰り返す中へ、うまくガソリンを吹き込むだけでも、アホみたいに難しい課題だらけなんです。
そこを乗り越えるエンジニアの皆さんに感服。。。
あとはSOHCからDOHCに変更され、VTC付きのi-VTECになっています。主にパワー向上への変更だと捉えています。回転数に応じた最適な燃やし方ができるようになったと捉えてもらえれば。
フリードのハイブリッドシステムの進化
ハイブリッドモデルの進化は、i-DCDという新世代のハイブリッドシステムが搭載されました。
見どころは、モーターの出力が2倍以上になってアシスト役からエンジンとのツートップ体制になったところ。ツートップに相応しいバッテリー容量の拡大も燃費に大きく貢献しています。
申し一つは、エンジンを完全に切り離せることになったことにより、ブレーキ時に走行エネルギーをモーターへ繋げることができるようになりました。IMAのときは、エンジンの抵抗にエネルギーを奪われていた分があった。
また、電動サーボブレーキという新技術でブレーキを踏むだけで、ブレーキと回生ブレーキ(モーターでエネルギーを回収する分)の割合を調整。多くのエネルギーを回生に回せるようになりました。
特に回生はトヨタが高い技術を持っていましたが、この進化がトヨタの燃費に迫ることができた大きなポイントになっているのではないかと思っています。
モーターにばかり目がいきがちですが、エンジンも大きく進化しています。アトキソンサイクルという爆発から多くのエネルギーを取り出す技術を採用。通常、アトキソンサイクルは効率が良くなる一方、絶対的なパワーも確保しているのがホンダVTECの凄いところ。
このi-DCDの見どころは多すぎて語り切れないくらいです。それ位、心血注いで作られたハイブリッドシステムなんですね。
一方で、ようやくトヨタのハイブリッドに追いついたとも言えます。トヨタに技術のイメージがない方も多いと思いますが、長い期間群を抜いていたトヨタハイブリッドTHSの凄さも実感できるのではないでしょうか。
まとめ
今回は2代目となるフリードのガソリンモデルとハイブリッドモデルの燃費について細かく見てみました。
ハイブリッドはシステム刷新により効率が大幅に向上し、評判通りの燃費だということが納得いきましたね。
ガソリンモデルの進化にも驚くばかり。街中での実燃費はハイブリッドには及ばないとはいえ、高速での実燃費は非常に優秀。これで絶対的なパワーまで向上しているんだからお得感は高いです。
フリード燃費は、カタログ上の数値がライバルに比べて優れているだけでなく、実燃費でも十分その実力が引き出せることを実感です。
では!